デザイナーがいるとはかどる!オンライン総会の体験向上

みなさまこんにちは。Craft Eggのコーポレートデザイナーです。
この記事では半期に一度行われるCraft Eggの総会を、デザイナー主導で運用した際に得られた気づきを共有したいと思います。どうぞよろしくお願いします!
Craft Egg総会とは、1部の表彰式+2部の懇親会からなる、全従業員が参加する年間最大の社内イベントです。私は総会の総監督として、全体の体験向上と1部の運用責任者を務めました。
過去2回のCraft Egg総会もオンラインで開催しましたが、コロナ禍で引き続きリモートワーク推奨ということもあり、zoomを使いミニマムで開催するという方式でした。
これに対し今回の総会は、オンライン開催の前提かつ事前に準備をする余裕が多少あったため
・過去2回のオンライン総会と比べて、グレードアップされた印象を与えたい
・コロナ禍の閉塞感を感じさせず、楽しんでほしい
という2つの目的をもって、UX(※)向上の検討に入りました。
※User eXperience … ここではオンライン総会を通じて社内メンバーが得られる体験を指しています
条件としては、
・4/16(金)開催
・2/12(金)からプロジェクトスタート
・とはいえ、コスト(費用、運営の人員)は最小限に
というもので、なかなか頭を捻った記憶があります(笑)。
結果、どうすれば目的を果たせるか? と考えた際に、以下の3つの案を実現に移そうと決めました。
(1)ファーストビューの違いを見せる(ぱっと見て、違う)
(2)最初に動画で引き込む (クオリティの高い映像で興味を引く)
(3)匿名参加型の仕組みを取り入れる(コメントスクリーン)
(1)、(2)は私がデザイナーだからこそ、実行のハードルが低く挑戦がしやすかった案です。
(3)は弊社がエンターテインメントを提供する会社だからこそ、うまくワークした案かなと思っています。
それぞれ具体的にどういったものかを解説していきます。
(1) ファーストビューの違いを見せる
zoom配信用の枠をデザイン。カメラを複数台繋ぎ、無料のキャプチャソフト OBSで1画面に統合し配信しました。また、配信を行う場所をCraft Eggのボイス収録スタジオに変更。ライトや画角を変えることで、過去の総会配信とは違う印象を打ち出しました。
さらにzoomウェビナー機能を用い、普段と異なるUIと、画面表示の固定を実現しました。通常のzoomを使用すると、視聴者側で画面の分割や固定ができてしまったりと、想定外の表示になることがあります。それを避けることが狙いでした。
▼今回の画面

▼前回の画面

「このデザインは前回からの変化値が少ないかも 」「この比率だと、右上の小窓サイズに合わない!」といった体験確認+技術検証を、運営進行者(=私)自身がささっとトライ&エラーできたのは大きく、時間の短縮につながったと思います。

(2) 最初に動画で引き込む
オンライン総会で初めて、OP動画を作成。ただ「総会が始まるよ!」という内容ではなく、役員からのメッセージを主体とした動画にし、3分ほどの長尺にすることで、これから始まる総会に集中をしてもらう狙いがありました。

最後に総会につながるカットを含めることで、自然なシーン移行ができたと思います。

At Film(https://atfilm.jp/)さまによる撮影、編集のご協力により、短期間ながらクオリティの高い動画に仕上げていただきました。素材のお渡しやアニメーションの指示などをデザイナーが直接行うのはフロー上もスムーズでした。
(3) 匿名参加型の仕組みを取り入れる
こちらに関しては、過去のzoom懇親会で使用した「コメントスクリーン」(https://commentscreen.com/)をオンライン総会にも利用。事業報告や表彰のタイミングで、画面にコメントが流れる仕様にしました。

他に行った工夫や心構えとして、1部、2部、機械まわり、配信まわりと、それぞれ責任者をたて、役割の範囲内で決裁や、予算決定を行ってもらう(総監督のチェックを不要にする)といった運営組織の省力化をしたり、表彰では視聴者をパネリストに昇格させるオペレーションを利用したりしました。
「どうにもならないところは剛力でやる」という覚悟を持つことも大事です。
客観的な結果としては、
・コメントスクリーンへのコメント投稿数 3887件(平均1人24コメント!)
・絵文字投稿数 9015件
・事後アンケート 楽しめた 82%(1部、2部共通)
・代表運営メンバー 1部 4名、2部 1名
というデータになりました。

比較できるデータが少ないのですが、過去コメントスクリーンを使用したイベントでは、同じくイベント2時間に対し
・コメント投稿数 2458件
・絵文字投稿数 610件
という数字だったので、コメントの盛り上がりという点ではよかったのかなと思っています。
課題としては
・楽しめた、の割合をもう少し高めたい。90%越えを目指す
・事後アンケートの回答者数(45名)を増やしたい。リマインドの仕組みなど。
この辺りを考えています。データも取れたので、次につなげていきたいです!
長々とお話をしてしまいましたが、オンラインでのイベントを成功させるポイントとしては、
・どんな体験をしてほしいか?(UX、目的)を明確にしてから逆算する
・制限のある中で、オペレーションも含めた工夫をする(素晴らしいメンバーに恵まれた!)
・五感の「視る・聴く」が効果的なオンライン総会プロジェクトにおいて、デザイナーの力はハマりやすい!
この3つだったのかな、と思っております。
中でも1つ目のポイント、3つ目のポイントはデザイナーの得意とするところであり、非デザイナーの方は今後こういった取り組みをされる際、デザイナーを巻き込んで実行してみてはいかがでしょうか?
お読みいただきありがとうございました!
おまけ
Craft Eggでは、半期ごとのスローガンを策定しています。その半年間の行動指針となるもので、毎回総会で発表されています。
今回のスローガンは「これだ」。
このスローガンが選ばれた理由の一つが「自分の意思で、自信をもって選ぶ」だったので、「ロゴのデザインも自分で選んでほしい」という思いから、初めてスローガンロゴを複数作成しました。

こうした試みを面白い、と思ってもらえる環境でいろんな工夫ができて、すごく嬉しいです。
目的を元に体験をデザインをする、ものすごく面白い分野なので、ぜひ楽しんでください!