PROJECT STORY

#05

「ガルパ」2人のプロデューサーが語る、「守るべきもの、変えるべきもの」

2021年3月16日、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(以下、ガルパ)は4周年を迎えました。新たに掲げられたスローガンは「まだまだ止まらない、私たちのバンド活動(ライフ)!」。新しいチャレンジに挑み続ける「ガルパ」の二人のプロデューサーに、今の心境を聞きました。

MEMBER

「ゲーム内の遊び方」と「コンテンツの広がり」の両軸でチャレンジを継続していく。

まずは4周年という節目、お疲れさまでした!今ふり返ってみて、率直な感想を聞かせてください。

湯田

ありがとうございます。大事なのはここからですが、4周年で掲げた「まだまだ止まらない、私たちのバンド活動(ライフ)!」というスローガンのとおり、今後のガルパに期待してもらえる状態をつくるということは一定達成できたのかなと思っています。

沢村

「バンドリ!プロジェクト大発表会」や「ガルパ特番」では、4周年のアップデートだけでなく、5年目に準備している展開も発表しました。
「喜んでいただけるだろう」と思えるところまで念入りに準備してきたつもりではありましたが、発表の前はお客さまの反応をポジティブとネガティブの両方で想像して、緊張しました。
結果、想像以上にみなさまに喜んでいただけて、本当によかったです。

湯田

特に「ガルパ」のメンバーとアーティストが一緒に歌う「エクストラ楽曲」の発表は反響が大きかったですよね。

沢村

4周年で実装された「リズムアイコンの追加」といった「ゲーム内の遊び方」という軸と、「エクストラ楽曲」のような「コンテンツの広がり」という軸、この両軸でチャレンジを継続していくことが大事だよねと、よく湯田とも話しているんです。

「エクストラ楽曲」の実装はこれからになりますが、この4周年ではゲーム内とコンテンツの両軸でのアップデートをお伝えできて良かったなと思っています。「ガルパ特番」でお伝えしたとおり、楽曲まわりについては「エクストラ楽曲」の他にも、企画している我々さえワクワクするような取り組みを準備中です。

湯田

よいものに仕上げて、早くお客さまにお伝えしたいですね。

これまでやっていなかったことにチャレンジするのは、今でもやっぱり怖い。

5年目は色々と新しい展開がありそうですね。積み上げてきたものを守りながら新しいことにチャレンジするのは難しそうにも思うのですが、いかがでしょうか。

沢村

そうですね、やはりどんどん難易度は上がりますが、今はむしろその積み上げてきたものを壊していこうとしているところです。「ガルパを」という意味ではなく「我々の中で当たり前になってしまっているものを」という意味でですが。

我々としても会社としても、これだけ多くのお客さまに愛される作品に関わる経験も多くはなかったので、正直これまではどちらかというと「守らなきゃ」という意識の方が強かったんです。私や湯田をはじめ、開発チームのみんなも、どちらかといえば保守的だったのかなと思います。
でも少しずつ小さなチャレンジを繰り返す中で、「自分たちが変えてはいけないと思いこんでいただけかも」ということも増えてきました。

湯田

これまでやっていなかったことにチャレンジするのは、今でもやっぱり怖いです。「え、こんなことやっちゃうの?」と、お客さまの期待や信頼を裏切るようなことはしたくないですしね。
ただその怖さがあるために、日頃から「壊していいものとそうでないもの」を見誤らないための努力は怠らないようにしています

当たり前になっているルールをまず疑ってみる。

なるほど。「壊していいものとそうでないもの」を見誤らないために、お二人が普段から意識していることなどはありますか?

沢村

「バンドリ!」はコンテンツの展開が幅広いので、ゲーム内の施策に関するものだけでなく、ライブやアニメなども含めてお客さまの意見を拾いにいくことも意識しています

例えば、ゲーム内では実装されていなくても、ライブではPoppin' Partyが他のアーティストの方と一緒に歌うこともありました。そういうときにきちんとアンテナを張って、お客さまの声を見ていると、ゲーム内で同じような取り組みを行ったときに喜んでもらえそうかそうでないかというイメージがつくようになるんです。

湯田

勢いやアイデア任せにやるのではなくて、「ここまでいけたから、次はここまでチャレンジしよう」という感じで、段階的にチャレンジを踏むことは大事にしていますね
開発メンバーからの提案に対しても、段階を踏まずに壊しちゃいけないものまで壊しにいってないかとか、逆にチャレンジすべきところで現状維持になってしまってないかという点は、よく確認するようにしています。

沢村

個人的に思うのは、運営として自分たちがつくってきたレギュレーションや、いつの間にか当たり前になっていたルールのようなものは、自分たちが「そうでなければいけない」と思い込んでいることも多いということです。

そこを疑ってみることを最近はすごく意識していて、例えば「『ガルパ』で遊べる楽曲は全部『ガルパ』のキャストさんが歌ったものでなきゃいけない」という当たり前を疑ってみることでアーティストさんと一緒に歌う「エクストラ楽曲」が生まれました。

逆に一番守らなければいけないものは、「ガルパ」のメンバーやバンドの存在そのものと、彼女たちが大事にしているものであって、それはこれからも変わりません
お客さまもとても大切に感じてくださっている部分なので、何か新しい取り組みをするときも特に慎重に考えます。

「お客さまの反応を見らずにはいられない」ほど、自分自身がエンターテイナーとして仕事を楽しむ。

「当たり前を疑う」。チーム全体で実践するとなるとなかなか難しそうですが、開発チームとしてはどのように変化していきたいなど、考えていることはありますか?

湯田

「変化する」とはちょっと違ってしまうかもですが、これまでもずっと大事にしてきた「ユーザーファースト」という思想を、開発チーム一人ひとりが今一度徹底する必要を感じています。
偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが、私は今も社内の誰よりもお客さまの声に目を通しているという自信があります。生放送で大きな発表があるときなど一時的にではなく、「常日頃見ている」ということがとても大事なんです。そうでないと、生放送の反応を見ても「それが通常と比べてどれだけ盛り上がっているのか」は分からないはずなので。

一方で、それだけ徹底して「ユーザーファースト」でいるためには、私がプロデューサーとして「ガルパ」が目指す高さや方向を示して、みんなの仕事に対する熱量を切らさないようにしなくてはいけないなと思っています。
熱量をもってどれだけ一つ一つの仕事にこだわれるかが成果を生むし、そういうメンバーが他のメンバーからの信頼も得ていきます。なので、目指す高さが擦り合っていなかったり、そこが低いなと感じたら、上げにいくようなコミュニケーションを意識しています。

沢村

積み上げてきたものが大きい分、開発の難易度は上がっていくけれど、開発メンバーの一人ひとりが「お客さまを熱狂させるエンターテイナー」なんだという意識をもって、5年目の変化とこれからの仕事を楽しめるといいなと思いますね。

お客さまの声をくまなく確認するのも、やっぱり仕事と思ってやっちゃうと辛いんですよ。でも「楽しませたい」と思って仕事していたら、反応を見ずにはいられないというか、気になっちゃうんですよね。まず自分が作り手として楽しんで「どうしたいか」を考え、そしてそれがお客さまの感覚とずれていないか答え合わせする、この繰り返しですね。

湯田

Craft Eggはものづくりに真っすぐな人が多く、誰かの熱意やビジョンのようなものを笑ったり茶化したりするような人はいません。だからこそこれからは、お互いにもっと「こうしたい」を熱く語れるようになっていきたいですよね。

「5年目以降のガルパ」をお客さまと一緒につくっていきたい。

4周年のタイミングで、お二人は特番に出たりTwitterを始めたりと、発信の機会も増えましたね。何か理由があったのでしょうか。

湯田

これまで、広報やメディアのインタビューでお話しさせていただくことはあっても、お客さまに向けて我々が話す機会はほとんどなかったかと思います。
これには明確な理由がありまして、やはり重要なのは我々がつくったコンテンツを「お客さまがどう受け取られるか」ということだと思っているので、いわゆる「中の人」が前に出て色々と語るべきでないと考えていたからです。

今でもその考えが間違っていたとは思わないのですが、やはり先ほどお伝えしたように5年目以降は「いかに変化できるか」ということが大事になってきますし、時にはこれまで「当たり前」となっていたものを壊す必要も出てきます。
そうなったときに、お客さまに不安を与えないようきちんと我々の想いを伝えたく 、発信の機会を増やすことにしました

沢村

実際に生放送に出演したりTwitterを始めたりして、「今始めて良かったな」と実感しています。
著名人でもない我々の声に耳を傾けてもらえたり、温かい言葉をたくさん頂けたりするのは、チームのみんなと4年間かけて培ってきた信頼とお客さまとの関係値があるからこそだと思っています。

湯田

最近はお客さまアンケートの質問形式を一部変更するなどして、より詳細なご意見を頂けるようにもなりました。これまでより近い距離でお客さまとコミュニケーションを取りながら、「5年目以降のガルパ」を一緒につくっていきたいですね。

目線を落とさず、「ガルパ」もチームも成長する「攻めの5年目」へ

最後に、お二人が今後チャレンジしたいことを教えてください!

沢村

どのゲーム開発においても言えることですが、積み上げてきたものが多いほど、できることも限られてきます。ですが、「バンドリ!」そして「ガルパ」のいいところは、ゲーム内とゲーム外のコンテンツとのかけ算で、新たな体験を創ることができるということです。
そのかけ算の思考を常にもっていたいですし、5年目以降はよりそれを形にして、お客さまにお届けしていきたいです。

新たな体験を生めないコンテンツプロデューサーに価値はないという危機感を、これからも常にもっていたいと思います。

湯田

私はアイデアマンではないので、沢村さんの発想力と、発想するだけでなくそれを実現可能な形に落とし込む力を尊敬していますし、助けられてますよ!

私自身の役割は、やはりプロデューサーとして「ガルパ」が進むべき方向と、その目標や目線の高さを示すことです。私が目線を落としたら、それは開発チームやプロダクトすべての目線を落とすことに等しいと思ってものづくりに向き合っています

元々慎重な性格なので、保守的に考えてしまうことも多いのですが、先ほどお話ししたとおり5年目以降は「壊すべきものは壊して、新しいものをつくっていく」ことが大事になってきます。私自身が保守的でいると、開発チームもプロダクトもそうなってしまいかねないので、攻めの姿勢を意識してやっていきたいです。

一方で「壊すべきものは壊して、新しいものをつくっていく」ためには、よりチームの力が必要になります。これまで我々がやっていたことも、チームのみんなにどんどん任せていきたいですし、任せる勇気を持たなきゃいけないなとも思っています。

沢村

そうだね。どんどん任せて、私たちも新しいチャレンジをして。そうやってチーム全体で高め合っていきたいね。

湯田

今日は色々お話しさせてもらいましたが、「まだまだ止まらない」5年目ということで「ガルパ」も我々開発チームももっと成長していければと思っています。ぜひ期待していてください!

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